職場を幸せにするメガネ/小林嘉男
まる出版
この本は、「働きがいのある会社ランキング」の上位に輝くディスコという会社にお勤めの著者が書いた実話です。
著者は、部長になって配属された経理部で、「シリコン野郎」と呼ばれた時代もあったそうです。そこからコミュニケーションについて学びなおし、幸せな職場を作りました。
※シリコンとは、半導体を覆う熱伝導率の低い素材。シリコン野郎とは、冷血な奴。
職場の幸福度は人間関係で決まる
著者は言います。
良い職場と悪い職場、職場の幸福度を決めるのは「人間関係」だ。
さらに断言します。社員すべてを幸せにすることは可能だ。
覚悟を決めて行動すれば、理想は必ず叶いますとも書かれています。
著者が理想の職場づくりのために変えたのが、メガネ(見方)でした。そして、アドラー心理学に出会い、チームビルディングを進めていきました。
前提にあるものはアドラー心理学
前提にあるのは、アドラー心理学の幸福の3条件です。
* 自分が好き(自己受容)
* 人は信頼できる(他者信頼)
* 私は貢献できる(他者貢献)
この3条件が満たされた状態を作ることがリーダーの役割だと言っています。
職場マネジメントに必要なアドラー心理学の4つのこと
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著者が職場の幸せを考える上で大切だと感じているもの。
1. 認知論
2. 共同体感覚
3. 目的論
4. 勇気付け
アドラー心理学で「幸せ職場」を作るために必要な4ステップ
著者が考える組織の共同体感覚を強めていくための適切なステップ。
1. リーダーとしての思いを明確にする
2. 組織として大切にすることを共有する
3. お互いを知り、信頼関係を構築する
4. 動き出す仕組みを作る
アドラー心理学で成果は出せるのか
職場の人間関係が良くなるに越したことはないけれど、数字はどうなの?という疑問を私は持ちました。
そこについても、しっかり記載されています。
「職場の幸せ、部下の幸せを徹底的に追求しましょう。リーダー自身も幸せになり、職場の生産性もアップします」
うれしい言葉です。
アドラー心理学をベースに人間関係という横軸を、成長のステップで職場のミッションという縦軸を網羅しています。
新しいリーダーシップのかたち
これからの時代は「羊飼い型(背後から指揮をとる)」のリーダーシップが不可欠だと聞きます。著者のチームビルディングも、自らが旗を振るスタイルとは異なります。
これからの時代は、チームのメンバーの一人一人が活躍する時代になりますね。
アドラー心理学からメガネをかけ変えて、新しいチームビルディングを考えてみませんか?