本を読む人だけが手にするもの/藤原和博
日本実業出版社
著者は序章でこう言っています。
20世紀型の成長社会が象徴する「みんな一緒」という時代から、21世紀型の成熟社会が象徴する「それぞれ一人一人」という時代に変わったのである。(中略)「それぞれ一人一人」の幸福をつかむための軸となる教育は、自分で獲得しなけばならない。そのためには、読書が欠かせないというところに行き着くのだ。
あなたの読書スタイルは?
「趣味として楽しむ読書」という方が多いですか?
趣味として楽しむ、もちろんYes!ですね。趣味の読書に加えて、「人生を切り開くための読書」としても、読書は楽しめるのです。
10人に1人の人材になろう
読書する人は10人に1人と言われています。よって、読書する1人=10人に1人の人材になれるのです。
これだったら、誰でも10人に1人になれますね。読書をコツコツ積み上げることで、100人に1人の人材になれるかもしれませんよ。
読書から得られる数々のこと①
著者は、本は作家の「脳のかけら」と言っています。その脳のかけらを、読者は本を読むことで自分の脳につなげることができると言っています。脳のかけら、確かに言い得て妙ですね。
他にも、集中力やバランス感覚、創造する力。そして、「よのなかを生きる力」も身につくと言っています。
読書から得られる数々のこと②
著者は、20世紀は成長社会で情報処理力が求められたが、21世紀は成熟社会で情報編集力が求められると言っています。
■情報編集力を高めるために役立つ5つのリテラシーと読書
1. コミュニケーションする力を磨く読書(国語)
2. ロジックする力を磨く読書(数学)
3. シミュレーション力を磨く読書(理科)
4. ロールプレイング力を磨く読書(社会科)
5. プレゼンテーションする力を磨く読書(実技教科)
広告
加えて、情報編集力を高めるために、複眼思考(クリティカル・シンキング)を磨く読書も提案されています。
教科に置き換えるところが校長先生らしです。読書は教育と同等の力を持っているというであり、読書が思考を磨く上で大きな役割を果たすことができるんです。
まとめ
読書は楽しむことでもあり、たくさんの学びの力を持っています。そして、経験と読書を積み重ねると、自らの生き方を選択できるようになります。結果、人生を切り開くことになるのですね。
この本には付録があります。藤原和博の「これだけは読んでほしい」と思う本・50冊。著者の本も紹介されていることはご愛嬌です。
私は、この50冊の中から1冊でも2冊でも、普段自分では選ばない本を、あえて読んでみたいと思っています。